
そもそもシェアリングエコノミーってなに?
シェアリングエコノミーというと少し難しそうなイメージを持たれる方もいるかもしれないが、昨今、「メルカリ」や「Airbnb」をはじめとした、モノや住まい(部屋)、自動車、自転車、ペットや、自分が持っている特殊能力から余った時間までをも、貸し借りしたり、リユースしてゆくサービスが日常化しています。これら自分の所有物だけど使わない期間(時間)があるものや、もう不要となってしまった所有物などを必要としている人に有効的に活用してもらい且つ、その対価まで払ってもらうサービスを総称してシェアリングエコノミーと言われています。
そもそもシェアリングエコノミーの概念は、特段目新しい概念ではなく、本や住宅、車などは古くからビジネス化されてきているが、近頃はインターネットの恩恵もあり「所有」から「利用」という効率的な考え方が優先されはじめています。
余ったモバイルデータを無駄なく活用!
このように、余っている(活用しきれない)個人の所有物を有効的にシェアするという概念が、皆さんの普段使っているスマホにも活用できたら便利ではないでしょうか?スマホの活用のしかたは人それぞれ千差万別であり、毎月消費するデータ使用量もそれに準ずるものであります。
では例えば、実際にそれぞれ異なるプランで異なるスマホ(モバイルデータ)の利用の仕方をする3人の利用を例に解説します。
- Aさん(国内の大手キャリアで毎月3GBの契約)
自宅ではwifiを併用しているため3GBの契約をしているが、時折月末になるとデータを使い切ってしまい不便を感じるが、来月まであと数日っという点と、大手キャリアの追加データが割高であるという点で毎回不便を感じながらも我慢をしているAさん。
- Bさん(国内の格安SIM業社で毎月20GBの契約)
格安SIMにしたことで節約できているため、大容量のデータ契約でストレスフリーでスマホライフを楽しんでいるが、毎月結構な容量を余らせてしまっている。しかしいくら余っていたとしても業社から余った分の返金をしてくれるわけでなく不満があるBさん。
- Cさん(国内の格安SIM業社で毎月2GB、海外の格安SIM業社で毎月1GBの契約)
海外出張が多く国内と国外を半々の生活のため、国内外で2枚のSIMを別々の業社で契約して使い分け、月によって利用容量に差が出ていて調整に困っているCさん。
この3名のそれぞれの不満とニーズは3者3様ですがBさんの余ったデータ通信容量をAさん、Cさんにそれぞれ分け合えば、スッキリと収まります。
このような利用例は皆さんの身の回りでもよくあるかと思います。身近なところで考えれば家族間でも似たようなケースはあるかもしれません。ここでふと思った方もいるかもしれませんが、国内の大手キャリア(一部の格安SIM業社)でもすでに結構前から家族間でモバイルデータを分け合えるメニュープランは存在します。しかしこれら国内での実装内容は、あくまで同一契約上の親子関係になっている回線間のみでの適用となっているのが現実です。そのため、データ容量を余らせて無駄にしたり、早々データを使い切ってしまい結果多くの利用料を支払ってしまっているケースが顕在しているのも事実です。
ではこのような余らせてしまっているデータ通信量は世界中で毎月どのくらいあるのでしょうか?世界各国通信料金や貨幣価値などの違いはありますが、アメリカの某大手通信メーカーの調べでは、契約された通信量の内、毎月未使用で余らせている通信量は約900億円分のデータ通信量であると言う調査結果が出ているそうです。
このデータ通信は、無形な資源ではありますが、金額にするとこれだけの容量を無駄にしていることになります。これら現状無駄に見過ごしている資源を、世界中のどこかで足りていない方、必要としているエリアにシェアし、それを仮想通貨でキャッシュバックされる仕組みを構築検討しているプロジェクト、それが「MOOVER」です。
MOOVERの仕組み
このMOOVERの概念は、前述しているとおりモバイルデータ通信のシェアリングエコノミーです。世界中のモバイルユーザーの余った通信量を足りていない、必要としている人やエリアにより安価に、そしてより手軽に自由なインターネット環境を共有するためのプロジェクトなのです。
概念はシンプルかつ合理的なので、とてもわかりやすいと思います。次に仕組みの方ですが、こちらがかなり複雑かつ一見難しいく取れる内容となっています。なぜならばMOOVERは今話題の「ブロックチェーン技術」と「仮想通貨」を用いて作り上げようとしているからです。この両キーワードは昨今いろんなところで見聞きするようになりましたが、本質的な仕組みや、構造を理解している人はまだまだ一握りの人たちだけかと思います。ここは仮想通貨のサイトではないので、詳細説明は割愛しますが、仮想通貨を流通させるには、一般企業で言うところのIPO(新規公開株)にあたるICO(新規仮想通貨公開)と言う資金調達方法を利用して公に流通させてゆくのがセオリーと言われています。そしてこのMOOVERも例外なくICO銘柄として2018年秋に公開が決定している仮想通貨となります。
ではMOOVERとは一体どんな仕組みなのか?検証してみました。ここでは企業で言うところのIPOをする際の目論見書にあたる、仮想通貨でのICOにおけるホワイトペーパーと言うものにて簡単に要点のみをまとめてみました。
- データ容量の取引自体は「MOVEトークン」を発行してトークンで取引を行う
- 取引の最小単位は「1MB」
- データ容量の最適マッチングは「独自AI」から分析された行動結果から導き出され、取引を積み上げることによりディープラーニングされ精度が上がる仕組みを取る
- ライフラインとなるデータ通信を扱うため、国境をまたぎ誰もが直感で利用できうるシンプルなUX構造を実現し、スマホアプリで操作でき複雑、専門的な構造は極力排除する
内容をみれば、確かに実現すれば仮想通貨で儲ける云々ではなく、とても画期的な仕組みが実現しますね。
モバイルデータと仮想通貨にどんな関係性があるの?
前述しているとおり、このMOOVERは現在流通している大半の投機目的な仮想通貨とは違い、明確なコンセプトを持ったものといえます。世界で余っているモバイル通信容量をボーダーレスに流通させるための一つの手段として仮想通貨という手段を選択しているともいえますね。ですので、とかくこのタイミングだとまた、怪しい仮想通貨が出てきているだとか、流動性の高い仮想通貨のようにも思われがちですが、内容自体は大きく異なることがわかるかと思います。
ちなみにこのMOOVERですが、仮想通貨の概念によく取り入れられているブロックチェーンの仕組みが取り入れられています。ただ現時点ではまだ何を取り入れるかはまだ決まっていないということです。
MOOVERの可能性
兎にも角にもこのMOOVERですが、知れば知るほど魅力的で奥が深いプロジェクトのように思えますが、はたして、デメリットやリスクは無いのでしょうか?当然現時点ではプロジェクトの段階ですので、様々な観点でまだまだ未完成且つリスクな一面は持っています。
- ICOの調達期間が3期に分けられており公開までの期間が長い
- ICOで調達した資金で開発がされているため、調達計画への依存が高い
- 全体の仕組みが、ユーザー目線に偏りすぎているため、プロジェクトの実現性に疑問がある
このような懸念は考えればいくらでも出てきますが、日々生まれてくる他の仮想通貨と比べて、このMOOVERは、現時点ではとても社会貢献的で魅力が高い仮想通貨であるといえると思います。
そして現在2018年2月上旬ですが、2/1より第2期の調達が始まっている状況です。このタイミングで参加してみるもの面白いかもしれませんね。
まとめ
- MOOVERは世界の余ったモバイルデータを有効活用する「モバイルデータシェア」を目的としたプロジェクトである
- 「モバイルデータシェア」の取引はオリジナル仮想通貨で行う
- MOOVERは2018年秋にICOが決定している新規公開予定銘柄である