以前は、光回線と言えばフレッツ光ぐらいしかありませんでしたが、2015年1月にNTT東西が「光コラボレーションモデル」の提供を開始したことで、NTT東西のインフラを利用した光回線サービスが次々と誕生しました。この「光コラボレーションモデル」は、NTT東西が業界を独占してしまうことで「公平な競争が損なわれることを防ぐため」に総務省の指導があって提供されたものなので、私たち利用者にとっては企業間の競争原理が働いて安価に優れたサービスを受けられるようになるので非常に良いことです。
ただ、2018年3月時点でNTT東日本の光コラボレーションモデルを利用して光回線(光アクセスサービス)を提供している企業は500社を超え(NTT東日本がこちらのページで公表しています)。しかも、「光コラボレーション事業者様のサービスを利用してサービス提供している事業者」も300社を超えていて乱立しすぐて、何が何だかよくわからない複雑怪奇で非常にわかりにくい状況になってしまっています。
独自のインフラで提供される光回線
この「光コラボ」の登場で今まで以上にわかりにくくなったのが、独自のインフラ網がある光回線サービスなのかNTT東西のインフラを借りて提供しているだけの光回線サービスなのかの違いです。まず、光回線選びの基礎知識として、自社でインフラを整備して光回線接続サービスを提供している主なサービスを確認しておきましょう。
企業名 | サービス名 | 補足 |
NTT東西 | フレッツ光 | 国内最大のインフラ網を武器に全国で7割近い圧倒的シェア(光コラボを含む) |
KDDI | auひかり | NTTに対抗できる唯一のインフラを持つ企業。光コラボ(とドコモ光)の影響で苦戦を強いられてシェアを伸ばせていないが2017年3月末時点でも13.3%で2位。世界最速の最大10GBpsのサービスを2018年3月に開始。 |
So-net | Nuro光 | 都内(関東)を中心に営業展開。関西や中部にも営業エリアを拡大中。 |
中部電力 | コミュファ光 | 中部電力管轄内で展開 |
九州電力 | BBIQ | 九州電力管轄内で展開 |
四国電力 | ピカラ光 | 四国電力管轄内で展開 |
ケイ・オプティコム | eo光 | NTT東西・KDDIに次ぐシェアを獲得している近畿エリアで高いシェアを誇る。 |
勘違いしやすいのは、ドコモひかり・Softbank光は「光コラボ」で提供されているサービスなので「NTT東西」のインフラを借りて提供されています。独自インフラを持つauひかりとは全く違いますので念頭においておきましょう。
光コラボで提供される光回線サービスを含んだ料金比較
光コラボで提供されている主要な光回線接続サービスと基本料金は以下のようになります。(2018年3月現在)なっています。以下の料金はあくまでも基本料金なので、1年以上料金が割り引かれたりすることはよくありますし、さらに「光コラボ」を取り扱う「プロバイダ」がたくさん存在していてそのプロバイダ毎にキャンペーンが行われたりしているので更に複雑です。
ただし、色々なキャンペーンや値引き期間が終わると落ち着くのはこの基本料金であることを考えると、基本料金を抑えておくことは重要です。
提供種別 | 戸建タイプ | 集合住宅タイプ | |
フレッツ光 | 独自インフラ | 5,100円 | 3,450円 |
auひかり | 独自インフラ | 5,100円 | 3,800円 |
Nuro光 | 独自インフラ | 4,743円 | 2,500円 |
eo光 | 独自インフラ | 4,953円 | 3,524円 |
ドコモ光 | フレッツ光 | 5,200円 | 4,000円 |
ソフトバンク光 | フレッツ光 | 5,200円 | 3,800円 |
ビッグローブ光 | フレッツ光 | 4,980円 | 3,980円 |
OCN光 | フレッツ光 | 5,100円 | 3,600円 |
So-net光 | フレッツ光 | 5,700円 | 4,600円 |
@nifty光 | フレッツ光 | 5,200円 | 3,980円 |
ぷらら光 | フレッツ光 | 4,800円 | 3,600円 |
DMM光 | フレッツ光 | 4,820円 | 3,780円 |
この一覧表を確認してもらうとわかるのですが、「光コラボ」の料金がやや割高なのがわかりますね。特に都内で利用できるNuro光の料金はかなり割安です。また、
光コラボの商品は「スマホ」とのセット割引
光コラボを使ったサービスの料金が高いのには理由があります。上記の基本料金での契約はほとんどなく、実際は「スマホ」とのセット割引で料金を大幅に引き下げて契約しているのです。つまり、「使っている携帯電話が「ドコモ」か「au」か「ソフトバンク」か「それ以外」かで選ぶべき光回線サービスが違ってくる、というわけですね。
提供種別 | |
フレッツ光 | |
auひかり | auスマホとセットで月最大2,000円割引 |
Nuro光 | ソフトバンクのスマホとセットで最大月2,000円割引 |
eo光 | auスマホとセットで月最大2,000円割引 |
ドコモ光 | ドコモのスマホとセットで月額最大3,500円割引 |
ソフトバンク光 | ソフトバンクのスマホとセットで最大月2,000円割引 |
ビッグローブ光 | auスマホとセットで月最大1,200円割引 |
OCN光 | OCN モバイルONEとセットで月最大1,000円割引 |
So-net光 | auスマホとセットで月最大2,000円割引 |
@nifty光 | auスマホとセットで月最大1,200円割引 |
DMM光 | DMMモバイルとセットで月500円割引 |
auスマホは多くのサービスとのセット割を提供しているので比較が面倒ですが、auひかりかビッグローブ光が条件的にはすぐれています。
ということで整理するとこのようになります。
利用している携帯電話 | おすすめ光回線 |
ドコモ利用者 | ドコモ光一択! |
au利用者 | auひかり または ビッグローブ光 |
Softbank利用者 | ソフトバンク光 |
それ以外の格安SIM | Nuro光・DMM光
または、格安SIM提供企業をプロバイダに選ぶ |
次に光回線サービスを決めたら、プロバイダー選びです。プロバイダー選びについては後日追記します。