「iPhone X」 は本当に買いか?

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iPhoneXのアイキャッチ画像です

iPhone X の知っておくべき10のこと

2017年今年も例年通り9月にAppleから各種新デバイスが発表され、その中の一つに注目のiPhoneが入ってました。しかも今年はiPhone発売10周年の記念モデルを含む3機種の発表でしたね。通常の後継機種であるiPhone 8、iPhone 8 Plusはすでに発売を開始していますが、多くの人達が期待して待っているのは、これから出る10周年記念モデルの「iPhone X」(アイフォーンテン)ですよね!待ちに待つiPhone X は今月27日(金)16:01より予約スタート、そして来月3日(金)に発売となります。

そこで、知っておくべきこと1つめとして、今回のiPhone X には、これまで使われたことのないフロントパネルが採用されました。そのパネルは、有機ELディスプレイパネル(OLED)といい、こちらの特長として高画質、省電力、劣化が早いなど賛否両論ありますが、結果としてこのELパネル、量産難度が高く歩留まり確保が容易ではないらしいです。この事象はiPhone Xの供給台数にモロに影響を出し、楽しみに待つ全てのiPhoneファンの需要にすぐには答えられない可能性が高いわけです。一部のアナリストの間では、今回のiPhone X は発売直後だけでなく長期に渡り供給不足が予測され、争奪戦は史上最難関とも予想されているそうです。

2つめは、みなさんすでに御存知の通り、今回の記念モデルiPhoneの最大特長/革新として、物理ホームボタンがなくなったことです。ホームボタンを取り除き、Plusよりも大きく美しいiPhone史上最大の5.8インチのスーパーRetinaディスプレイ(2436×1125)、全面スクリーン化となることで、ベセル幅が究極に狭くなり、イメージも一新されております。

3つめとして、前面/背面に搭載された12メガピクセルのカメラである。ピクセル解像度の向上だけでなく、全体的に取る画像が安定化する施しがされていることと、前面カメラにも追加されたポートレートモード機能です。前面カメラに搭載されたことにより、レベルの高いセルフィー画像が世の中のSNSに拡散されることは言うまでもないでしょう。また、その他の特長として背面カメラのレンズが2つ縦に配列されており、iPhone 8 系列には搭載されていない、望遠レンズ、デュアル光学式手ぶれ補正、デジタル10倍ズーム機能など、本格的なデジカメさながらの機能が満載です。

そして4つめは、こちらも今回の記念モデルの代表的な変革機能である、一瞬でアンロックされるという 「Face ID」。前述の通り記念モデルからホームボタンの廃止により、これまとても便利だった指紋認証Touch IDが無くなってしましました。しかし、さすがAppleさん、それに変わる革新的な認証セキュリティとしてiPhoneの画面を見るだけでアンロックされる顔で認証をかける「Face ID」なるものを開発しリリースしてしまうそうです。こちらの顔認証「Face ID」の完成度はとても高いらしく、セキュリティに直結する機能という点もありAppleが最も自信を寄せている機能の一つだそうだ。なんでも、実証実験での誤認証は1/1000000回という精度の高さだそうで、Touch ID以上の精度の高さを誇るそうです。そんな便利なセキュリティ機能ですが、技術的には最先端技術を複合的に構成して実装しており、「ドットプロジェクタ」「赤外線カメラ」「投光イルミネーター」で構成した「True Depthカメラシステム」で認証し、帽子やメガネの変化、顔の表情や加齢による変化などにも左右されずに識別するそうです。もちろん赤外線カメラで暗闇でも利用できます。逆にそれだけ精度が良いとなると、「寝てる間にアンロックされる?」とか「写真/映像でもアンロックされる?」と言った懸念が一部の方から声が上がることもありますが、ご安心ください。「注意知覚機能」という設定がありその機能がオンになっていれば、寝ていている間にアンロックされることは出来ないそうです。また、第三者による写真/映像で認証をかけた場合についても独自のニューラルエンジンで解析することで判別し、アンロックは不可能だとのことです。最強の認証セキュリティを作り上げてくれましたね。

5つめは、これまでありそうでまだなかった、ワイヤレス充電機能です。iPhone X から背面素材がアルミ素材からガラス素材に変更されてます。これは単純にデザインや見た目のために変更したものではなく、この変更はワイヤレス充電に対応するためと言われています。そして今回発表したiPhone系の機種全てがQi(チー)と言う規格のワイヤレス充電方式に対応しました。ちなみにQiは、現在主流でワイヤレス電力伝送をする「電磁誘導方式」と「磁界共振方式」という2つの方式を組合せられた規格で、国際標準規格に策定されているものです。脱ケーブル!これからはQiに乗せるだけで充電ができ、コネクタ部分の破損などを気にする必要がなくなりますね。また、QiはiPhoneだけではなく、日常生活におけるあらゆるシーンですでに活用されている規格で、一部の乗用車などにも搭載されていたりし、今後包括的に拡大し、ますます利便性が上がることは間違いないですね。

6つめは、バッテリーの持ちについてです。今回のAppleからの発表で、iPhone X の仕様的には「iPhone 7よりも最大2時間長いバッテリー駆動時間」と記載されてます。ただ、この内容にはどのような条件で、更には何をした場合で2時間長いのかは全く不明です。iPhoneだけに言えることではないですが、バッテリー駆動時間は、必ずしも革新的な新モデルが旧モデルに勝っているということはありません。旧モデルよりも美しく革新的なデザイン、最先端技術及び、OSの採用、魅力的な機能実装、更にはよりスマートで軽量な筐体の実現を求める消費者と、それを実現に向けて開発するメーカー、それにより生み出される魅力的な新モデルです。ときにバッテリーの消費の面で旧モデルに劣ることもよくあることです。その上で今回のiPhone X を過去の旧モデルと幾つかのアクションシーンで比較してみます。
まずスマホの醍醐味であるインターネット利用時間で見てみると、旧モデルであるiPhone SE が最大値でした。(大容量バッテリー搭載の「Plus」モデルを除く)その他ビデオ再生でも差はなくからなずしも、単純にバッテリー駆動時間が伸びたとは言い難い内容となりました。
そして7つめは、毎回新モデル発表のたびに革新される、スマホの心臓とも言える搭載チップです。今回搭載のチップはA11 Bionicプロセッサと言う、高性能コア2つ、高効率コア4つの計6つのCPUコアすべてを駆動させるチップです。
このチップはAppleの新しいAR機能(拡張現実)をARkitなるものと連携して実装させるそうです。これは、今後標準化してくるだろう、質の高いAR体験を一気に拡大させるキッカケにもなりそうです。
また、このチップの搭載により、機械学習(AI)の実装とそれにより蓄積された膨大なパターンを、非常に複雑な計算で処理されたアルゴリズムを、iPhone上で動くみなさんが触るアプリ内に組み込めるようになります。これらの技術が駆使された代表的な機能は、前述した「Face ID」の複雑な処理パターンがまさにこのニューラルエンジンによって実現されている機能の一つです。
8つめとして、Face IDを使ったAnimoji(アニモジ)と言われるものです。これは、ユーザーの声や表情を、絵文字で見立てた動物やロボットなどのキャラクターに描写してメッセージ送信できるという機能です。アニモジ=アニメ+絵文字という意味だそうです。この機能の実装で、よりユニークで感情的豊かなSNSメッセージが送れるようになりますね。普段絵文字などを使わない方もこの機能の実装で絵文字フリークになったりするかもしれませんね。
9つめは、カラーバリエーションです。今回のiPhone X のカラーバリエーションはわずか2色、しかもシンプルなシルバーとブラックのみです。前機種などでみなさんも期待していたプロダクトレッドや、ジェットブラックなど今回の初期ロットでは実現しないという事になります。今後のカラーバリエーションの拡大に期待したいですね。
最後は、ここまで、魅力的な事を並べられ、いざ購入しよう!っとなった際に最初にみなさんが気になる部分!そう提供価格です。発表以前から今回のフラッグシップモデルは相当高く設定されると噂されていましたが、今回10周年記念モデルということで、様々な革新的機能を盛り込みすぎたAppleさん、価格面でもやはり史上最高額だそうです。
Appleで提供のSIMフリー版は64GBで¥121,824(税込)、256GBで¥140,184(税込)とのことです。現行で発売されているAppleのMacBook Airが定価で¥106,704(税込)から購入できるので、価格で見た場合はもはやパソコンであるMacの価格を大きく上回っていることになります。同時に発表されたiPhone 8 の64GBが¥85,104(税込)なので、いかにiPhone X の価格が高いかお分かりになるかと思います。購入を予定している方はボーナスの前借りが必要になるかもしれませんね。

購入を迷わせる3つの不安

前述の通り、調べれば調べるほど、今までのiPhoneとは格段に進化しており、今すぐにでもほしいという感情が湧いてきますね。でも、いくら欲しくても、需要と供給が合っていなければ、ほしいと思っているユーザーの手元には届かないことになります。前述の通り今回採用された有機ELディスプレイは、非常に量産難度が高く、一部のアナリストの推測では、iPhone X の製造は1日あたり1万台以下しか製造できないとの推定されているとのこと。1日1万台も生産できれば、立派に大量生産されているようにも思えますが、約2年前に発売されたiPhone 6s/6s Plus の例で見てみると、発売当初の週末3日で1,300万台強出荷しているのです。もちろん一概には比較できませんが、単純計算でその差は歴然です。歩留まりの理由が部材自体の供給によるものであるため、Appleがいくら生産努力をしても、部材の供給が大きく改善されない限り、供給台数は増えないのです。この供給不足が長く続くと、そのうちユーザーは諦めて、次に発表されるモデルもしくは、iPhone 8 などに妥協していく可能性もあります。この点においては、迷うというよりも手には入らずに諦めるユーザーが出てくるということです。

また、iPhone X ですが、言わずと知れたiPhone史上最高級、最高スペックのデバイスであることがおわかりになったかと思いますが、一方で無条件にiPhone X に飛びついていいのであろうか?っと言う疑問があります。それは、iPhone X は未完成のプロトタイプであるという考え方です。これまでAppleはiPhoneを1年おきに新型をリリースしてきてます。そして、それぞれのバージョンを数字で管理してきて、1つの数字バージョンは2年おきのバージョンアップになってます。言い換えれば、1つの数字バージョンは2年間かけて完成品に仕上げているともいえます。昨年のリリースモデルがiPhone 7 ですので、通常どおりであれば、iPhone 7sになるところ今回はiPhone 8としてます。しかし筐体自体はiPhone 7と大きく変化はないため、事実上7sと捉えて問題ないと思います。そして今回もう一つ10周年記念モデルとして、革新的に全く新しい筐体のiPhone X を発表しました。これまでの流れで言えば、新しい数字のバージョンは新筐体且つ、新技術をふんだんに取り入れた革新的なデバイスとして発表してきました。そして、次の年に同バージョンの完成形として同じ数字バージョンにsを付け、筐体や、技術的には大きく変化はないが、不具合などを解消した完成版となるものをリリースしてますので、今回のiPhone X をそれらに当てはめた場合、新数字バージョンであり、革新的技術の搭載且つ新筐体を採用したプロトタイプであり、完成バージョンは来年リリースされるという仮設がたてられます。そうです、iPhone X はAppleの今後のチャレンジを意味する夢のデバイスであることは間違えないのですが、完成形のXは1年後にリリースということになります。

そして、3つめの不安は、価格です。単純に比較してパソコンであるMacBook Airよりも高額であると言うのはちょっとやりすぎである気もします。っとは言え、パネルやチップの向上と、歩留まりの低さから、現時点の部材の供給価格帯が高額すぎるため必然的にこの価格になってしまっているとも推測できます。
言い換えれば、もう少し部材の供給が安定し、価格帯が落ち着いてきさえすれば、需要の高いiPhoneですので、大量確保することにより価格を抑えた製品を提供できるとも考えられます。そう、まさに完成形のXがリリースされるであろう来年であれば、より安定した性能で、より安く且つ手に入りやすくなるということです。

それでも欲しい、iPhone史上最上級モデル!

っとは言えです。史上最上級のiPhoneを誰よりも早くほしいと思うのがiPhoneユーザーの心理です。現時点で発売されている最新モデルであるiPhone 8 の筐体は細かく微細な変化はあるものの、大枠のフレームは3年前にリリースされたiPhone 6から大きな変化はありません。あらたしもの好きなユーザーはもう現行の筐体モデルに飽きてしまっているのです。ライバル筐体として長年競い合っているSUMSUNG社のGalaxy S8 はすでに発売されており、有機ELディスプレイの採用、物理ホームボタン無しの全画面化など、一部iPhone X と同じ特徴を持ちつつ先行して世の中にリリースされているという事実もあり、iPhone X は発表されるべくして発表されたということを察することが出来ます。
供給不足の予想、高価な定価、一部他社製品に先行されているなど、様々なネガティブ要因もありますが、それでも結論として、iPhone Xは文句なく「買い」である。そしてiPhone X は今後の更なる10年のスマホの未来をリードをするキッカケの端末になることを願いたいと思います。
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