楽天が第4の携帯電話事業者(移動体通信事業者)に参入!

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楽天モバイルのロゴ画像です

楽天がNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの3事業者(グループ)に次ぐ第4の携帯電話事業(移動体通信事業(MNO))に参入することを正式に発表しました。携帯電話事業会社のインフラを借りて携帯電話サービスを提供するいわゆる格安SIM(MVNO)事業への参入企業は相次いでいましたが、自前で通信インフラを持つという大規模な設備投資が不可欠な通信事業への参入は2005年・2006年ごろに話題を集めたソフトバンクの新規参入(ボーダフォンの買収)以来の10年以上であり、大きなニュースとして取り上げられています。

2019年中にサービスを開始

楽天はすでに格安SIM(MVNO)事業者として楽天モバイルを提供していますが、同サービスを提供するにあたっては新会社を設立する、としています。サービス開始までの準備期間として最大2年で設定していますが、既存インフラ・顧客を保有していた事業を買収することで参入をはたしたソフトバンクとは全く状況が異なりますので、2年の準備期間で十分な設備を用意して事業をスタートさせることは相当の困難がありそうですが、2年後に第4の選択肢が誕生するのは非常に楽しみです。

 

まずは周波数の確保から

総務省は2018年1月~2月にかけて、1.7GHz帯と3.4GHz帯の帯域を携帯電話事業用として新規割り当てする方針を発表しています。この新規割り当てに対し、すでにNTTドコモが追加の割当申請を行うことを発表していましたが、楽天が新事業者として申請することになります。利用できる周波数を確保できなければ携帯電話事業に参入することはできませんので、まず最初のハードルがこの周波数確保を滞りなく遂行することになります。

 

設備投資は初年度2000億円

全国に基地局を整備するためには巨額の資金が必要になりますが、初年度(2019年)のサービス開始時に約2,000億円の設備投資を行い、2025年までの6年間で最大で6,000億円の設備投資を行う計画としています。この6,000億円は金融機関からの有利子負債で調達することとしています。長引く低金利で金融機関も融資先を探しているような時代ですし、有利子負債での資金調達といってもかなりの低利での借り入れになることが予想されますので、資金調達コスト・しやすさの面からもこのタイミングでの新規参入の意思決定になったのかもしれません。

 

楽天が参入した場合、次ぐ第4の事業者が誕生することになり、料金的にも大きな変化が生まれるのではないかと期待できそうです。

 

1500万人の利用者を目指す

楽天ではまずは1500万人の利用者を目指す計画としています。2017年9月時点の各キャリアの契約数(利用者ではなく”契約数”)は以下の通りです。(一般社団法人 電気通信事業者協会より)

1500万人の利用者は夢物語の数字ではなく、6,000億円を超える設備投資を行う以上必達の目標と言えそうです。

キャリア 契約数
NTTドコモ 75,360,900
KDDI(au) 49,665,200
ソフトバンクモバイル 39,102,300
合計 164,128,400

 

なお、現状の3社の設備投資金額は年間で1兆5000億円程度となっていますので、6000億円といえども携帯事業会社としてはまだまだ少ない規模と言えそうです。

 

 

現在、楽天モバイルとして、NTTドコモから回線を借りて格安SIM事業者として通信サービス自体は提供し、フリーテルを買収したことで、格安SIM(MVNO事業者)のシェア1位になっています。このノウハウを生かすとともに、本業である通販、金融事業との連携(フィンテック)、デジタルコンテンツを提供するユニークな事業会社を目指すことを発表していますし、楽天スーパーポイントとの連携も実施される可能性は高そうです。

また、「低廉で利用しやすい料金」の提供を目指すことをすでに発表していますので、(なぜかインフラを借りている事業者の方が圧倒的に安い料金になっている)不思議な携帯電話の料金設定に一石を投じることになりそうです。

 

1利用者としては非常に楽しみな今回の楽天の発表。2年後のサービス開始が非常に楽しみです。

 

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