光回線とは、光ファイバーのケーブルを電柱から家の中まで引き込んで使う、据え置きのインターネット回線のことです。電波でつなぐホームルーターやWiMAXと違い、開通には工事が要ることが多くなります。その代わり、時間帯や電波の状態に左右されにくい回線です。
総務省の統計では、家庭や事業所の固定ブロードバンドの約8割が光回線です。ただし、契約先の会社とマンションの配線方式によって、使い勝手は大きく変わります。
光ファイバーを家の中まで引き込む固定回線
光回線は英語の略でFTTH(家まで光ファイバーを届ける方式)とも呼ばれます。家の壁に光コンセントを付け、そこにONU(光回線終端装置)をつなぎます。さらにWi-Fiルーターをつないで使います。
NTT東日本の案内では、接続の順番はONU、ルーター、パソコンやスマホの順です。スマホのWi-Fiで使う場合も、家の中のどこかにこの機器を置く場所が必要になります。
固定ブロードバンドの約8割が光回線
総務省が2026年9月25日に公表した四半期データでは、2026年6月末の固定系ブロードバンドの契約数は5,257万でした。そのうちFTTHは4,167万で、当編集部で計算すると約79%です。
同じ資料では、ケーブルテレビの回線を使うCATVインターネットが444万でした。電波で家の回線の代わりにするワイヤレス固定ブロードバンドは497万です。家の回線は光回線が中心で、電波の回線は一部にとどまっています。
回線を持つ会社と契約する会社は別のことが多い
光回線の多くは、NTT東日本・西日本が持つ光ファイバーを使っています。総務省の同じ資料では、設備を設置した事業者別のシェアでNTT東西が56.2%でした。
一方で、契約する会社で数えるとシェアは分かれます。サービスを提供する事業者別では、NTTドコモ17.7%、NTT東西14.4%、ソフトバンク12.1%、KDDIグループ9.8%の順です。
この違いを生んでいるのが光コラボレーションモデルです。NTT東日本が光回線を事業者に提供し、その事業者が自社のサービスと組み合わせて販売します。契約先は事業者になるので、料金や問い合わせ先も事業者ごとに違います。
最大10Gbpsは技術規格上の数字
NTT東日本のフレッツ 光クロスは上り下り最大概ね10Gbps、フレッツ 光ネクストは最大概ね1Gbpsです。どちらも技術規格上の最大値で、実際の速度を示すものではありません。
光クロスでは通信品質を保つためのデータが付くため、実際の最大値は規格の数字より十数%低くなります。10Gbpsで使うには、10GBASE-TのLANポートとカテゴリ6a以上のLANケーブルも必要です。
速度の数字をどう読むかは速度比較の読み方の記事で紹介しています。スマホの回線の話ですが、時間帯で数字が変わる点は光回線も同じです。
マンションは建物内の配線方式で上限が変わる
集合住宅では、共用部まで光ファイバーが来ていても、各部屋までの配線は建物ごとに違います。NTT西日本は、マンションの提供形態に光配線方式・VDSL方式・LAN方式があると案内しています。
VDSL方式とLAN方式では、部屋の機器のLANポートが100BASE-TX(最大100Mbpsの規格)での提供になります。光回線と名前が付いていても、建物の中が電話線やLANケーブルなら、この規格の上限を超えられません。
そのため、マンションで光回線を申し込むなら、先に建物の配線方式を調べておきましょう。NTT東日本・西日本の提供エリア検索で住所を入れると、配線方式を確認できます。
光回線とホームルーター・モバイルルーターの違い
当編集部は2026年10月24日に、NTT東日本・NTT西日本・ドコモ・UQ WiMAXの4社の公式ページで条件を確認しました。ホームルーターはドコモのhome 5G、モバイルルーターはUQ WiMAXのギガ放題プラスSを例にしています。
| 項目 | 光回線 (フレッツ光) |
ホームルーター (ドコモ home 5G) |
モバイルルーター (UQ WiMAX ギガ放題プラスS) |
|---|---|---|---|
| つなぎ方 | 光ファイバーを家の中まで引き込む | 携帯電話の電波を受けて家の中でWi-Fiを出す | 携帯電話の電波を受けて持ち歩きでWi-Fiを出す |
| 工事 | 光ファイバーや光コンセントが無ければ訪問工事(集合住宅で約2時間) | 不要(コンセントに挿すだけ) | 不要 |
| 使える場所 | 工事した住所 | 登録した設置場所の住所だけ | 契約住所以外でも使える |
| データ量 | 月の上限の記載なし | 無制限(直近3日間の利用量が多いと遅くなる場合あり) | スタンダードモードは制限なし(プラスエリアモードは月30GB) |
| 最大速度の表示 | 光クロス最大概ね10Gbps・光ネクスト最大概ね1Gbps(技術規格上の値) | 数値の記載なし(設置場所の提供状況による) | 下り最大4.2Gbps(一部エリア) |
| 月額 | 回線とプロバイダーの料金(光コラボは事業者ごと) | 5,280円 | 5,280円(13か月間は4,598円) |
※2026年10月24日時点、各社公式サイトにて確認。月額は税込で、端末代と初期費用を含みません。
ホームルーターとモバイルルーターは、工事がいらない代わりに電波の混み具合の影響を受けます。持ち歩きもできるWiMAXを家の回線にする場合の料金は、WiMAXのプロバイダー比較で詳しく解説しています。
工事なしの手軽さと引き換えになる安定性
当編集部が確認したところ、次のような体験談がありました。
- 引っ越しが多いため光回線をやめ、WiMAX +5Gのホームルーターを1年使った。届いた日にコンセントに挿すだけで使え、次の引っ越しでも持っていくだけで済んだのは楽だった。一方で通信が安定せず、好きなオンラインゲームはこの1年ほとんどできなかったので、自分には光回線が合っていた。
場所や時期で結果は変わるので、1人の例として読んでください。ゲームや在宅の会議のように、途切れると困る使い方がある家なら、まず光回線から検討してください。
家での使い方から回線の種類を決める
回線の種類は、家で何に使うかと、その家に何年住むかで絞れます。次の順に考えてください。
- 家族が同時に動画を見る、オンラインゲームや在宅の会議があるなら、光回線を第一候補にする。
- マンションなら、提供エリア検索で建物の配線方式を調べる。VDSL方式やLAN方式なら、ホームルーターと比べる価値がある。
- 賃貸で工事が必要な場合は、管理会社や家主に工事の可否と共用部の鍵の手配を相談する。
- 1〜2年で引っ越す予定なら、工事のいらないホームルーターかモバイルルーターも候補に入れる。
- 候補が決まったら、月額に工事費と端末代を足した2年間の合計で比べる。
光回線どうしの料金とプロバイダーの違いは光回線のプロバイダ比較の記事で紹介しています。
参考:総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和8年度第1四半期)/NTT東日本 フレッツ 光クロス/NTT西日本 フレッツ 光ネクストのスペックの違い/NTT東日本 開通工事の流れ(集合住宅向け)
回線の速度と工事の条件は2026年10月24日時点の内容です。申し込む前に、各社の最新の案内で提供エリアと工事の条件を確認してください。




