eSIM(スマホ本体に回線の情報を書き込む方式)のデメリットは、カードを差し替えるだけで別のスマホに移せないことです。機種変更のたびに再発行や転送の手続きが要り、スマホが壊れたときは手元の端末で手続きできなくなります。
一方で、Webで手続きすれば再発行の手数料はほとんどかかりません。2026年10月25日に6社の公式案内を確認したところ、Webでの再発行が0円の会社が5社でした。費用がかかりやすいのは、故障や紛失で店頭に行く場合です。
eSIMはスマホに書き込む回線情報で、抜き差しができない
SIMカードは、電話番号と契約の情報が入った小さなカードです。新しいスマホに差し替えれば、ふつうはそのまま同じ番号で使えます。
eSIMは、この情報をスマホの中のチップに書き込みます。カードの郵送を待たずに開通できる反面、情報を移すときもネット経由の手続きになります。
手続きの呼び方は会社で違い、ワイモバイルは同じスマホに入れ直す「再発行」と、別のスマホへ移す「eSIM機種変更」を分けています。UQ mobileは「eSIM再発行」と「eSIM転送」の2つの方法を案内しています。
機種変更のたびに回線の移し替えが要る
eSIMを新しいスマホへ移すには、今の会社のサイトやアプリで再発行を申し込み、新しいスマホに回線の情報を読み込みます。iPhoneどうしなど、端末の機能で転送できる組み合わせもあります。
移し替えの途中は、新しいスマホがWi-Fiにつながっている必要があります。UQ mobileはWi-Fiへの接続を条件にしていて、テザリングでの接続は使えないと書いています。
新しいスマホがeSIMに対応していて、SIMロックが解除されていることも前提です。UQ mobileはSIMロック解除と対応OSのバージョンも、手続きの前に確認するよう案内しています。
6社のeSIM再発行の手数料と手続きの条件
当編集部は2026年10月25日に、6社の公式サイトとよくある質問でeSIMの再発行の条件を確認しました。金額は税込です。
| 事業者 | Webでの再発行 | 店頭など | 手続きの条件・注意 |
|---|---|---|---|
| 楽天モバイル | 0円(SIMカードは3,300円) | 確認したページに記載なし | 今使っている端末でSMSのワンタイムパスワードを受け取る。再発行には2時間前後かかる |
| UQ mobile | 0円(My UQ mobile・eSIM転送) | 店頭は4,950円 | Web受付は0時5分〜23時55分。申込後2日以上回線を切り替えないと取り消される |
| ワイモバイル | 0円(My Y!mobile) | 店頭は手数料あり | ログインのパスワードが必要。忘れた場合は店頭での手続きになる |
| ahamo | 0円(キャンペーン中) | 端末の紛失・確認コード不明などは4,950円 | 故障・紛失はドコモショップかd gardenで手続き |
| IIJmio | タイプDは433.4円、タイプAは220円 | 確認したページに記載なし | 再発行とプラン変更を同じ月に申し込めない |
| mineo | eSIMプロファイル発行料0円 | 確認したページに記載なし | 発行まで最短1日程度、2〜3日かかる場合もある |
ahamoの0円はキャンペーンによるもので、終了時期は書かれていません。店頭の欄が空いている会社も、店頭で手続きすると費用がかかる場合があります。
Webで手続きすれば手数料はほとんどかからない
eSIMは再発行のたびにお金がかかると思われがちですが、上の表のとおり、Webで手続きすれば6社中5社が0円でした。IIJmioも1回あたり数百円です。
手数料が4,950円になる例は、UQ mobileの店頭での再発行と、ahamoで端末をなくしたなどの理由でドコモショップに行く場合でした。同じ再発行でも、どこで手続きするかで支払いが変わります。
機種変更の予定があるなら、古いスマホがまだ使えるうちにWebで移し替えを済ませると、店頭の手数料を払わずに済みます。
スマホが壊れたときは手元の端末で手続きできない
eSIMのいちばんの弱点は、スマホが壊れたりなくしたりしたときです。楽天モバイルは、再発行の本人確認に今使っている端末で受け取るSMSを使います。
端末が手元にない場合、楽天モバイルは申請フォーム、UQ mobileとワイモバイルは本人確認書類を撮影するeKYCでの再発行を案内しています。ワイモバイルの場合は、Wi-Fiにつないだ別のスマホからログインする必要があります。
当編集部が確認したところ、次のような体験談がありました。
- 新しいiPhoneへデータを移したとき、気づかないうちにSIMカードの回線がeSIMに変わっていた。見覚えのないeSIMだと思って消したところ圏外になり、Webで再発行しても直らず、ショップへ行くことになった
- ドコモの回線のeSIMを別のスマホへ移そうとして転送に失敗し、eSIMが消えた。確認コードのSMSが受け取れず、ショップでは再発行に手数料がかかると言われたため、SIMカードの再発行に切り替えた
どちらも、移し替えの途中でeSIMを消したり、転送に失敗したりしたことが始まりです。新しいスマホで通話と通信ができると確かめるまで、古いスマホのeSIMは消さずに残してください。
修理に出すときと、手続きを途中で止めたときの注意
UQ mobileは、修理の際にeSIMが削除される場合があるとして、修理に出す前の再発行の手続きを勧めています。代わりのスマホを借りる予定があるなら、どちらの端末で回線を使うかを先に決めておきます。
申し込んだまま放っておくと、手続きが無効になる会社もあります。UQ mobileは申込後2日以上切り替えないと取り消され、楽天モバイルは申請から約2時間でキャンセルできなくなります。
楽天モバイルは、手続きの前にeSIMのプロファイルを削除しないよう案内しています。消してしまうとSMSが受け取れず、Webでの再発行ができなくなるためです。
eSIMが向かない人と、SIMカードを選ぶ目安
次のどれかに当てはまる人は、SIMカードのほうが手続きで困る場面が少なくなります。
- 家にWi-Fiがなく、機種変更の作業をスマホのテザリングだけで済ませたい人
- スマホが壊れたとき、手持ちの古いスマホにすぐ差し替えて電話を使いたい人
- Webのログインのパスワードを管理しておらず、手続きを店頭に頼ることが多い人
- 家族の手続きを代わりにすることが多く、本人の端末でのSMS認証が負担になる人
反対に、機種変更が数年に1回で、手続きをWebで済ませられる人なら、eSIMの不便はほとんど出ません。データ用の回線を2つ目として入れる使い方にも向いています。
データ通信だけの格安SIMを2回線目に足す方法は、データ通信SIMの比較で紹介しています。
中古や他社で買ったスマホにeSIMを入れる前は、SIMロック解除の手順を見ておくと、手続きの途中で止まらずに済みます。番号そのままで会社を変えるときの流れは、MNP予約番号とワンストップの解説で説明しています。
参考:UQ mobile eSIM再発行/eSIM転送手続き/楽天モバイル SIMカードやeSIMの交換・再発行/ワイモバイル eSIM再発行のお手続き方法
再発行の手数料と手続きの条件は2026年10月25日時点の内容です。機種変更の前に、契約している会社の最新の案内で再発行の方法を確認してください。





