MNPとは、携帯電話の会社を変えても今の電話番号をそのまま使える仕組みです。正式には携帯電話番号ポータビリティといい、2006年10月24日に始まりました。
移せるのは電話番号だけで、契約そのものは今の会社で解約し、乗り換え先で新しく結び直します。番号を移す手数料はWebなら無料ですが、2025年以降は契約から1年以内に解約すると、最大1,100円前後の費用がかかる会社が増えました。
MNPで引き継げるのは電話番号だけ
総務省の説明では、MNPを使うと今の会社との契約は解約になり、乗り換え先とは新規契約になります。番号は変わらないので、家族や勤務先に新しい番号を知らせ直す手間はかかりません。
一方で、今の会社の料金プランや割引は解約と同時に終わります。電子マネーや有料のコンテンツも、引き継げない場合があると総務省は注意しています。
手続きの方法は2つあります。今の会社で予約番号を発行して乗り換え先に伝える方法と、乗り換え先のWeb申込だけで済むワンストップ方式です。どちらを使うかの決め方は、MNP予約番号とワンストップの手順の記事で紹介しています。
番号の種類が070・080・090でも移せない契約がある
MNPは、070・080・090などで始まる携帯電話の番号で使えます。ただし、総務省のQ&Aでは、この番号でもデータ通信専用のサービスはMNPを使えない場合があるとしています。
格安SIMでは、同じ会社でもデータ専用のSIMと音声通話つきのSIMを分けて売っています。番号を残して乗り換えたい人は、今の契約が音声通話つきかどうかをマイページの契約内容で見ておきましょう。
もう一つの例外は、新規受付を止めているサービスへ移る場合です。逆に、受付を終えたサービスを使っている人が他社へ移るときは、MNPを使えます。
一度MNPで移った番号は、元の会社へ戻すときも、さらに別の会社へ移すときも同じ仕組みで動かせます。何度乗り換えても、番号を手放す必要はありません。
手数料より先に見ておきたい1年以内の解約の費用
番号を移す手数料は、総務省のQ&AではWebなら無料です。店頭や電話で予約番号を発行する場合も、1,000円に消費税を加えた金額が上限です。乗り換え先では契約事務手数料がかかることがありますが、転入の手数料はかかりません。
実際に差が出やすいのは、今の会社を短い期間で解約したときの費用です。当編集部では2026年10月26日に、ドコモ・au・ソフトバンクと各社のサブブランド、楽天モバイル、格安SIM2社の計8ブランドについて、公式の案内でこの条件を調べました。
| ブランド | 短期で解約したときの費用 | 対象になる契約 | 費用がかからない例 |
|---|---|---|---|
| ドコモ | 契約解除料1,100円(月額1,100円未満のプランは月額と同じ金額) | 2025年7月1日以降に新規契約した個人の回線を1年以内に解約 | 1年を過ぎてからの解約 |
| au・UQ mobile | 最大1,100円(割引後の月額が1,100円未満のプランは月額と同じ金額) | 2025年10月1日以降の新規契約で、1年以内に解約 | au・UQ mobile・povoの間の番号移行、8日間キャンセル |
| ソフトバンク | 最大1,100円(データ定額サービスなしは748円など、プランで異なる) | 2026年7月1日以降に新規・のりかえで加入し、回線提供開始月から12か月以内に解約 | ワイモバイル・LINEMOへの番号移行、8日間キャンセル |
| ワイモバイル | シンプル3 S・Mは858円、Lは1,100円 | 2026年7月1日以降に新規・のりかえで加入し、回線提供開始月から12か月以内に解約 | ソフトバンク・LINEMOへの番号移行、8日間キャンセル |
| 楽天モバイル | 解約事務手数料(Rakuten最強プランは最大1,078円) | 2025年4月1日以降に申し込んで利用を始め、1年以内に解約 | 初期契約解除など、やむを得ない事情がある場合 |
| IIJmio(ギガプラン) | 違約金とMNP転出手数料はなし | 最低利用期間は課金開始日を含む月の末日まで | 最低利用期間を過ぎた後はいつでも |
| mineo | 解約精算金はなし | 最低利用期間の定めもなし | いつでも |
※2026年10月26日に各社の公式サイト(解約の案内・よくある質問・お知らせ)で確認。金額は税込です。
大手のブランドは、1年以内の解約に1,100円前後の費用を設ける形にそろってきました。au・UQ mobileとソフトバンク・ワイモバイルは、同じグループのブランドへ番号を移す場合と、8日間キャンセル(契約から8日以内に取り消せる制度)を対象外にしています。
格安SIMの2社は、確認した範囲では短期の解約に費用がかかりません。ただし、IIJmioは利用を始めた月に解約するとその月の料金が満額かかります。
1年以内にもう一度乗り換えるなら損得を計算する
短期の解約費用は、それだけで乗り換えをやめるほどの金額ではありません。比べる相手は、乗り換えで下がる毎月の料金です。
当編集部の試算では、乗り換えでスマホ代が月1,000円下がるなら、1,100円の解約費用は2か月で取り戻せます。月500円しか下がらない場合は、取り戻すまでに3か月かかります。
注意が必要なのは、契約から1年たたないうちに次の会社へ移る場合です。表の費用は今の会社に払うものなので、乗り換え先の事務手数料(たとえばUQ mobileのWeb申込は3,850円)と合わせると、1回の乗り換えで5,000円近くかかることもあります。
キャンペーンの特典だけを目当てに乗り換えを繰り返すと、この費用が毎回かかります。特典の受け取り方と条件は、MNPキャンペーンの最大◯円の読み方で解説しています。
番号以外に失うものを解約前に確認する
MNPの手続きが終わると、今の会社のサービスは使えなくなります。先に確認したいのは、乗り換え後に困りやすい次の4つです。
- キャリアメールのアドレス。ネットのサービスのログインIDに使っていれば、フリーメールへ変えておく
- メールアドレスを残したい場合の手続き。ドコモメール持ち運びは月330円で、ドコモ回線の解約日から31日以内に申し込む必要がある
- たまっているポイント。ドコモの場合、dアカウントを発行していないとdポイントは解約で失効する
- スマホ本体の分割払い。ドコモは解約後も残りの分割金の支払いが続くと案内している
今のスマホを乗り換え先でも使うときは、乗り換え先の電波の周波数に対応しているかも見ておきましょう。総務省も、MNPの注意点として周波数の対応を挙げています。
乗り換えるかどうかを決める順番
MNPは番号を守るための仕組みで、料金を下げるかどうかは乗り換え先のプラン次第です。次の順に確認すると、乗り換えで本当に安くなるかが分かります。
- 今の契約がいつ始まったかを確認し、1年以内なら解約費用を表で調べる
- 使っている回線がデータ専用ではなく、音声通話つきであることを確認する
- 乗り換え先の月額と事務手数料から、1年分の支払いを出して今と比べる
- キャリアメール・ポイント・分割払いの扱いを決めてから手続きに進む
乗り換え先の候補は、音声通話SIMの比較で通話つきのプランを紹介しています。
参考:総務省 携帯電話・PHSの番号ポータビリティ(MNP)/総務省 MNPに関するQ&A
解約費用と手数料の条件は2026年10月26日時点の内容です。番号を移す前に、今の会社と乗り換え先の最新の案内で条件を確認してください。






